kuriya手帖

毎年、この季節になると、浅草始発の東武鉄道で奥会津に向かいます。
目指すは　｢日本で最も美しい村｣連合の加盟村地域である三島町。

三島町は、福島県の西部に位置し、尾瀬を源流とする只見川沿いにある山間の町。
只見川の峡谷に沿って敷かれたJR只見線は、渓谷と鉄道が織り成す四季折々にのどかで美しい風景を見せてくれます。冬は積雪が2ｍを超えることもある豪雪地域なので、雪国の手仕事を再生した生活工芸がさかん。

今回の旅の、最大の収穫は、あけび蔓細工の和島常男さんにお会いできたこと。
こけしで有名な宮城県鳴子温泉に宿泊したことから、和島さんのご自宅を訪ね、作品を
見せていただき、貴重なお話も伺うことが出来ました。
ご自宅に一歩踏み入れた途端、家の空気の違いに驚かされました。家の中は整然と片付けられ、仕事場もそれは美しい環境でした。
作品にもそのことがよく表れていると思います。

この道45年以上の和島さんは、現在も自ら山に入り材料を確保されています。
丁寧でしっかりと下処理をされ編まれたかごは、丈夫で型くずれしないのはもちろん
なにより、その作品の美しさに心を奪われます。
今回、お願いしてその作品をお譲りしていただきました。
デザインの高い完成度、静謐な雰囲気、ぜひ、皆さんにご覧いただきたいと思います。

• Tweet