2021.12.28 Category:kuriya手帖
日本の豊かな風土は、土地土地で独自の文化や歴史を生み出しました。
その地域だからこそ生まれた伝統や技術、地元の素材を生かした作り手たちの知恵と継承。
さらに作り手たちは、新しさを加えながら挑戦し続けています。
変わらないようで変化し続ける
現代の暮らしにも取り入れられる
その土地で作り続けている
この先もずっと残していきたい。
1月のkuriyaでは、
「風土が育む暮らしの道具」をテーマに
その地で生まれ育まれた道具をご紹介します。
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広島県・宮島 宮島工芸製作所の杓子
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〈風土〉のこと
寛政の頃(1800年頃)、神泉寺の僧・誓真という人が、夢の中で弁財天の持つ琵琶の形からヒントを得て、島民に作り方を教えたのが宮島杓子の始まりだといわれています。
宮島工芸製作所は昭和初期から宮島杓子を作り続ける老舗です。
伝統の木工技術を生かし、現代の生活様式に合った多種多様なキッチンツールを作っています。
原材料には、主に広島県北地域から産出されるヤマザクラを使用。宮島の近隣地域で産出されるため、良質な材料を適正な価格で手に入れることができます。
さくら材を一つ一つ丁寧にくり抜き、伝統的な木工工芸の技術をいかし、無塗装で仕上げていきます。
天然素材のヘラは使用していくうちに、こっくりときれいな飴色へと変化していきます。
手に馴染み、愛着が増す。ついつい手が伸びてしまう道具のひとつです。
今回、kuriyaでは初めてお取り扱いいたします。
左はスタッフ私物。15年、毎日のように使っているそう。
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埼玉県・和光市 大矢製作所のおろし金
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〈風土〉のこと
銅のおろし金の歴史は古く、江戸時代の『和漢三才図絵』という図鑑に現在と同じ形状のものが描かれているそうです。また関東は料理人の数も多く、昔の職人の厳しい目で道具が育った背景もあるとか。
1928年創業の大矢製作所。職人の手によって作られる銅製のおろし金は、大量生産品とは違い、きめ細やかな大根おろしを作ることができます。
なぜ銅なのでしょうか?
焼きを入れた銅は、硬さと粘りを併せ持ちます。また、抗菌作用もあることから食品を扱うには最適な材料とされています。
こちらの工房では錫メッキを施した硬質な純銅の板に鏨と金槌を使って、職人が一目一目丁寧に刃を立てていきます。
刃の並びは微妙に不規則のため軽い力で手早くおろすことができ、繊維を細かく切ることで口当たりがまろやかな大根おろしになります。
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東京都・京橋 白木屋伝兵衛商店の江戸箒
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〈風土〉のこと
京橋は江戸時代、京橋川の水運を利用して竹を積み荷した場所で「竹河岸」といって竹の市場として賑っていました。原材料を仕入れやすく、多くの専門店がありましたが、現在まで残っているのは白木屋伝兵衛商店だけです。
天保元年(1830年)創業、東京・京橋に居を構える江戸箒の老舗。洗練を重ねた美しい江戸箒やブラシ、はたきやタワシ、はりみなどを製作・販売しています。
代々受け継がれてきた職人の技術により、全てを手作業で丁寧に作り上げています。
収穫したホウキモロコシも職人が1本1本、コシ、やわらかさ、しなり具合を確かめて吟味して選別したもの。そのため白木屋傳兵衛商店で作られる箒は、柔らかいのにコシがあり、畳の網目の埃を力をかけなくても掃きだしやすいものとなっています。
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富山県高岡市 FUTAGAMIの真鍮
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〈風土〉のこと
高岡は銅器づくりで国内シェアの90%以上を占める、鋳造の町。江戸時代に加賀藩が藩をあげて鋳物師の支援をし、産業の保護を行ったことが始まりとされています。
1897年(明治30年)創業の真鍮の鋳物メーカー『二上』が、2009年にデザイナーの大治将典氏と共に立ち上げた真鍮の生活用品ブランド。
FUTAGAMIの製品は、銅と亜鉛の合金である真鍮を溶解して型に流し込む「鋳造(ちゅうぞう)」という手法で作られます。
あえてメッキや塗装などをせず、鋳肌のままの状態の美しさを活かし、経年変化してゆく鋳肌の色や質感を楽しみます。
鋳造用の原型を使って砂型を起こす「型込め」
約1,100℃で溶解した真鍮を砂型に流し込む「鋳造」
『黒ムラ』は高岡鋳物が培ってきた真鍮の伝統的着色技法。
画一的ではなく、ひとつひとつ表情があり、暖かみのある古美な金属の表情を作り出します。
そのほか日本の風土の中で育まれた道具を多数ご案内しております。
ぜひkuriya店頭にてご覧ください。
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