まるで毎日が週末のようなこの家から、朝、仕事に出かけるには勇気が必要です。
客車のごとくシンプルな形は川沿いを抜けてゆく手荒な風雨から盾となって家族を守ってくれます。
室内の必要十分な設え(機能)は、家族の自由な動きを妨げません。
川に面した南側の移動空間で時には旅人のように窓際に座って外を眺め、
日だまりで本を読むことも気の向くままです。
ウトウトしたらそのまま自分の寝台(個室)で少しだけ昼寝を… 。
小さくても豊かなこの住まいには床暖房、輻射冷暖房パネル、
太陽光とガスを利用したダブル発電まで設備的にも理想的な機能を備えています。
建物種別・構造 | 木造平屋建て |
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今回は4月に竣工したkuriyaの家・S邸をご紹介します。
玄関から廊下、リビング・ダイニング、キッチンに至るまで
常に川を望みながら暮らす、ひだまりのような平屋の家です。
春先には向かいの梅畑が真っ白な花でいっぱいになり
初夏には蛍がやってくる、とても気持ちが良い場所にあります。
玄関から順に、ご紹介します。
玄関から廊下までひと続きになっているように見えるレッドシダーの天井。
これは、内と外で1枚1枚、板の幅を合わせて張ってあり、大工さんの丁寧な仕事が際立つところです。
玄関入って左側にある、列車の車窓を思わせる川に面した廊下のカウンター。
お嬢さんのお絵描きや勉強用の机として、また、アイロンがけや家計簿など奥様の書斎を兼ねています。
ときには、川にやってくるシロサギや小鳥たちを眺めながら家族で和むカフェカウンターにもなります。
その先には、パーテーションを兼ねたピーエス・輻射冷暖房パネルを設えたLDK。
調湿された空気は、冷えすぎず、温まりすぎず、1年を通して快適。
夏はエアコンはほとんど使わずに、窓からの換気と輻射冷暖房だけ、
冬は床暖房とガスストーブも併用して過ごしているそうです。
LDK部分から天井が高くなり 縦張りした壁面のレッドシダーの縁甲板が空間をより広く見せています。
モデルハウス・Gタイプをベースに製作したキッチン。
冷蔵庫のすぐ脇には、食品庫と洗濯機があり 家事動線が短くなるので、忙しい奥様にピッタリです。
裏庭のいろは紅葉が見えるピクチャーウインドウは
まさに、季節の移ろいが描かれる一枚の絵のようです。
訪れるたびに、ダイニングでお茶をのみながら 我が家のようにくつろいでしまいます。
最後に、実際に住まわれてのご感想を、奥様にお尋ねしました。
「とにかく家のどこにても、心地良いです。
土地の形状上、長い家なのですが、川と緑に囲まれた環境で
大きな窓のあるカウンタ−にいると、まるで列車に乗っているようです。
モデルハウス・Gタイプの空間が大好きで、キッチンとリビングはほとんどそのままの形にしました。
洗面所に洗濯機スペースがとれずに、キッチンに設置しました。
最初はちょっと抵抗があったのですが、これが使いやすい!結果オーライでした。
これから少しずつこの家にあった家具や雑貨を揃えていくのが楽しみです。」